見えない景色を見るために

小林 迅 2021年度 学部卒業

自動車工学研究室所属(小平研)
理工学部自動車部所属

参戦イベント
2017年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2017年 FIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース
2017年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2017年 Formula SAE Australasia (オーストラリア大会@メルボルン)
2018年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2018年 FIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース
2018年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2018年 Formula SAE Australasia (オーストラリア大会@メルボルン)
2019年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2019年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会

現役時代の担当
フォーミュラ SAE: パワートレイン担当、ドライバー担当
エコマイレッジチャレンジ: パワートレイン担当
二輪プロジェクト:フレーム剛性解析、燃料給油装置の設計

好きな言葉
「利他に生きる」

自分の利害はさておき、他人の利益となるように図る心です。
この言葉は夢工房での生活で一番学んだ言葉の一つであり、当時は正直分かったようで分からない部分も多くありましたが、何事にチャレンジするにもこの精神は必要不可欠であったため、社会人になっても好きな言葉の一つです。

卒業後の就職先、専門分野、現在など
航空系の会社にてジェットエンジンの制御を担当した後に、株式会社M-TEC(無限)に転職し、スーパーフォーミュラやGTのエンジンエンジニアとして仕事をしています。

就職先で生きたこと、TDU夢工房経験者ならではのこと
夢工房の経験が生かせたことは沢山ありますが、一番は恐怖心を克服する精神力だと思っています。知らない人や目上の人に意見をすることや、失敗することってめちゃくちゃ怖いですよね。当時の私にはすごく辛かったです。笑
しかし、先生はもちろん、多くの小平研OBの方が当時の私に対して厳しく指導して下さったおかげで、社会に出てから何事も恐れず行動に移せるようになりました。これは当時の経験を乗り越えたことが生きていると思っています。有難うございます。

2018年のオーストラリア大会にて コックピットに座っているのが筆者

特に印象に残っている、現役当時の出来事
フォーミュラSAEオーストラリア大会での出来事で、同期の小林和希と自分のダブル小林で挑んだエンデュランスでの出来事が印象的です。

当時、大学2年生の僕らには未知の世界であり、日程ギリギリで完成した車もオーストラリアで行ったテスト走行で破損…その中で迎えたエンデュランスでは最初に和希が走行し、私に交代した瞬間に電装系のトラブル発生。エンジン始動を試みましたが、スターターモーターが動かない…諦めかけたその時、チームの仲間の思いが私にも車にも伝わった感覚があり、突然スターターモーターが復活し、何とか完走を果たしたのは、今でも心に刻まれており、諦めない精神を手にするきっかけでした。

軌跡のエンジン再始動後の渾身の走行

現役生にメッセージ
【ボールペンの形はなぜこの形なのか?】

学生に限らず、社会に出てからもよく手にするボールペンですが、なぜこの形なのか?普段生活する中で、周りにあるすべてに対して、なぜ?どうして?と思うことが大切です。

現役時に先生からも良く言われた言葉ですが、今の職場でも、物をよく見て、その意味を知ろうとする向上心で自分を磨いています。
常に向上心を持って行動することで、見えなかった道が見え、登れなかった壁を越えることができます。

我々が持っている時間は限られています。学生生活の時間を無駄にしないように、向上心の正体を見つけるためにも、物を見て考えてみてください。
きっと、見えない景色が見えてくると思います。