チャンスをつかめ!

若井 雅人 2006年度 学部卒業

自動車工学研究室(小平研究室の前身 佐野研究室)所属

参戦イベント
2003年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2003年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2003年 Formula SAE Australasia(オーストラリア大会@アデレード)
2004年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2004年 Formula Student UK(イギリス大会@レスターシャー)
2004年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2005年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2005年 Formula SAE (アメリカ大会@デトロイト)
2005年 全日本学生フォーミュラ大会
2005年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2005年 Formula SAE Australasia(オーストラリア大会@メルボルン)
2006年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2006年 全日本学生フォーミュラ大会
2006年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2006年 Formula SAE Australasia(オーストラリア大会@メルボルン)

現役時代の担当
フォーミュラSAE :チームリーダー、ドライブトレイン担当、ドライバー
エコマイレッジチャレンジ:ドライバー

好きな言葉
好きな言葉はいろいろあります。その時々にあっている言葉を都合よく意識します。
私は幸いなことに人に恵まれていて、尊敬する人がたくさんいます。
困ったときはそういう人たちのことを思い返して「あの人だったらどうするかな?」と考えることで、気持ちを前向きにしています。

卒業後の就職先、専門分野、現在など
卒業後にホンダに入社して現在に至ります。
最初の配属先は研究所のモータースポーツ部でF1の仕事に従事。配属されて1年もたたずにイギリスの最前線で仕事(今のメルセデスGP)
ホンダの第3期F1撤退後は、量産車のボディ設計部署に異動。
2013年からレース部門に再度異動となり、現在はホンダ・レーシングに勤める。国内トップカテゴリーレースの車体設計リーダーとして長年に渡り奮闘中。

就職先で生きたこと、TDU夢工房経験者ならではのこと
「段取り」をする力がつきました。
これは「単純なスケジュール作成」ではなく、限られた時間と工数の中で最大限のポテンシャルを発揮する「アウトプット最大のスケジュール作成」に必要な「段取り」です。
目標が低い計画を立てることは簡単です。そうではなくて高い目標の計画を立てることが大切です。
定められた開発期間の中で、やりたいことを詰め込めるだけ詰め込んで、かつ日程がピッタリ間に合う。というのが理想と思っています。

夢工房では、企画、設計、製作、組み立て、テスト、分析、等々クルマ1台分の開発に必要なことが全部経験できます。
これは大きなことです。開発の全貌がわかっていないと「段取り」できません。
「段取り8分の仕事2分」とよく言いますが、私はその通りだと思っています。
夢工房ではプロジェクトの最初から最後まで全部体験できますし、大人数でやっているわけではないので「何とかする」には自分の効率を上げるしかありません。この経験で仕事を整理整頓する「段取り」力はとても伸びました。
当然ながら「段取り」してもうまくいかないことはあります。(今でもうまくいかないことも多い)でも、それは次の「段取り」を工夫すればいいのです。精度が上がっていきます。

会社に入ると一人ではできないプロジェクトを動かさなければいけません。
私の経験では、自分自身の段取りを整えるだけではなく、関連するメンバー/領域の段取りまで整えたほうがポテンシャルが高い仕上がりになります。
リーダーという立場になると、なおさらその重要性を認識します。
TDU夢工房経験者ならではと思っています。

在学中最後のオーストラリア大会 ドライバーとしてスキッドパッドイベントで優勝

特に印象に残っている、現役当時の出来事
大学2年生の時に参戦したFormula Student 2004です。
この時私はドライブトレインの担当というだけでなく、エンデュランスのドライバーでもありました。
F1の本場でデザインイベントで3位、オートクロスでも5位と上々の成績で、最後のエンデュランスの結果によってはかなり良い成績を手に入れられる。という状況でした。

そこで私はクラッシュしました。リタイアです。

当時チームメンバーは優しい言葉をかけてくれましたが、ひたすら申し訳ない気持ちになりました。大学やスポンサーにも。
そして「決めなければいけない重要なタイミングで、そのチャンスを逃す」ということの損失に打ちひしがれました。
これをきっかけに、チャンスを逃さない。チャンスをつかむ。ということを意識するようになりました。
いまの仕事に携われているのも、この考えがあるからだと思います。

チャンスはどこにあるかわかりません。
一般的な大学生活や就職活動など、ほかの人と同じ生活をしているとチャンスは巡ってきません。それは「普通の人と同じ」なので、代わりに誰かがチャンスを持って行きます。
他の人と違う光り方をしていたり、ずば抜けた努力や実績があると、チャンスは巡ってきます。
ぜひチャンスをつかんでください。

2004年のイギリス大会 卒業後、F1マシンの設計者としてこの地に戻ることになる

現役生にメッセージ
いろいろなことをしてください。
TVゲームもいいですが、ホンモノにふれてください。(私はTVゲームは遊ばされている気がしてダメですが)

世の中は情報があふれています。それに惑わされず、自分が興味があると思うことをやってみてください。
その時は遠回りもしてください。

例えば、小学生がカブトムシを飼いたいと思ったとしましょう。
ホームセンターに行って買えば目標達成です。
でも、カブトムシの習性を調べて、捕まえられる山に行って、自分で捕まえる。という行動に重要なことが詰まっています。
電車代はかかるし、蚊やスズメバチはいるし、簡単には捕まえられないでしょう。
でも、クワガタがいるかもしれないし、トンボや蝶にも触れ合えます。その過程で電車にハマったり、山登りが好きになったりするかもしれません。
ホームセンターに行くだけでは経験できないことがそこにあります。
やりたいことに困難や寄り道はつきものです。
そういうことを体感して突破していくと「夢」につながっていきます。

ということで夢工房に行きましょう。カブトムシがいます。(鳩山キャンパスにはホントにいます)
あなたがチャンスをつかむ「段取り」をしてください。

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