とりあえずやってみて

野口 博史 2005年度 学部卒業

自動車工学研究室(小平研究室の前身 佐野研究室)所属

参戦イベント
2004年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2004年 Formula Student UK(イギリス大会@レスターシャー)
2004年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2005年 Hondaエコマイレッジチャレンジもてぎ大会
2005年 Formula SAE (アメリカ大会@デトロイト)
2005年 全日本学生フォーミュラ大会
2005年 Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会
2005年 Formula SAE Australasia(オーストラリア大会@メルボルン)

現役時代の担当
フォーミュラSAE エルゴノミクス(操縦系統)設計製作、ドライバー

好きな言葉
”理論は経験の省略なり”
恩師である佐野彰一先生の言葉ですが、自分が社内で指導する度に思い出します。
私はこんな風に解釈してます。
1.過去の人が培ってきた考え方を読み取り、時間の省略に繋げる
2.理論を成立させるために、様々な試験、失敗から導き出されることを利用する

試行錯誤を続け、理論を組み立てていき技術を構築させる。
経験からなる理論を後者へ伝え、経験を省略させ更なる技術発展に繋がると考えています。

”とりあえずやってみる”
ちょっとやったら、なんとなくわかるでしょ!!

初の海外遠征は2004年のイギリス大会 ホンダF1の拠点でマシン整備

卒業後の就職先 専門分野、現在など
昭和飛行機工業(株)に就職
1~2年目 日本最大のタンクトレーラーを設計。ほとんど全部を担当。
3~5年目 三井造船に出向 巨大な船舶用エンジンの生産技術を担当。主に機械設計、設備設計。
その後、半導体生産部品生産ラインの設計、工場の運用を全て任されました。
6~8年目 昭和飛行機に戻り、粉流体運搬車の架装設計(大きなタンクローリーみたいなヤツのメインの部分です)
9~11年目 自らの希望で営業転属(広い知見から、ものつくりをやりたかった)
12~18年目 粉流体運搬車の架装設計に戻り、現在日本最大の粉流体運搬車を設計中

日々精進し仕事ができているのは、自分の性格に適した仕事に就けたからです。
飽きやすいので、広く浅く仕事ができ、1人1台設計できる特装車が合っていました。
現在は、粉流体運搬車の架装設計のリーダーを任されており、客先からの要望を取り入れ、原価低減を目的に現場や他部署と調整し工程、構造変更を実施、これらと同時に開発業務も行って、製品の改良に尽力しています。
さらに製品の見積もりから製造、納品、アフターケアまでの全てを担当・フォローしています。

その他に、簡単なシステムの構築をして、社内の無駄をなくすことで業務の効率化も図っています。

今の会社での立場は、みんなの癒し役。
「困ったら野口まで」が、みんなの合言葉。

就職先で生きたこと、TDU夢工房経験者ならではのこと
色々あります。

・自分で製作・組立ができたこと。
図面を描く、指示をするなど、自分で作業をするイメージができるため、攻めた設計や調整代の取り方などが身に付き、現場との調整能力が身に付きました。

・先生(有識者)にアドバイスをもらえたこと。
学生ならではの仲間内での「なあなあ」な話し合いではなく、真剣に自分がやりたいことに対して軌道修正をしてもらえらたこと。
(押しつけではなく、理由つきで。時には失敗させ理解させる)
このことで、専門メーカーへの問い合わせや上長との調整が上手に行き、自分がやりたいことをやり通せるようになりました。

・挫折と成功の両方ができたこと。
大会に間に合わなかったことがあり、その時は大きな挫折を味わいました。
そのことをバネにマシンを作り上げ、短い期間でトライ&エラーを繰り返し失敗を成功に繋げる方法を学びました。

チーム運用も上級生の役目のため、意思決定方法など就職先での動き方のイメージがつきました。その結果、入社後は新卒ながら新規開発のタンクトレーラの設計を任せてもらえました。その機種は、18年たった今でも基本設計は変わらずに改良され続けています。

学生時代に仕事の疑似体験をすることにより、性格に合った就職先が見つけられました。

2005年のアメリカ大会ではドライバーを務めた

特に印象に残っている、現役当時の出来事
いろいろなものを壊しまくりました(笑)マシン、部品、設備などなど。
私に作業をさせたらいけません。
なので、私は指示役やムード作りに徹していました。

指示役に回った時に感じたことは、切羽詰まった時の人の行動、集中力、人間の限界の高さを知りました。それらを効率的に引き出すのは、暴れまくる人たちの統率がカギです。彼らのベクトルが揃ったときのパワーは凄まじいですよ。

一生懸命やっていることができなくなる恐怖心と、やり遂げた時の達成感がまた楽しい。
それを成功につなげることができれば病みつき間違いなし。

現役生にメッセージ
とりあえずやってみて。やってみれば見える景色がある。
失敗を恐れずに考えてやり続ければ小さな成功につながり、さらに大きな成功につながる。
形になっていくと楽しくなり、さらに良いものが作りたくなる。

ものつくり、ひとつくり、楽しいですよ。

夢の続き へ戻る