こんにちは、学部3年の久保です。
先日、フレームの製作でSUS304(ステンレス)とSCM430(クロモリ)の溶接を
しました。
なぜフレームの一部がステンレスなのかというと、そのパイプの中を
冷却水が通るようにするためなのです。
クロモリパイプの中に冷却水を流そうものならば
数時間で赤錆が発生してしまうので、さびにくいステンレスパイプを
採用しました。
溶接するうえで検討しなければならなかったことの一つは
何の溶接棒を使うのかということです。
軟鋼の溶接棒とステンレス(SUS308)の溶接棒で比較をしました。
溶接ビード部分の降伏点という観点では、設計上ステンレスの溶接棒が
良いのです。
しかし、溶接割れという現象はステンレスの方が起きやすい傾向にあります。
金属は冷えるときに体積が小さくなるため溶接部にひずみ応力が発生します。
その応力で溶接部が割れることを溶接割れと呼びます。

写真左側のパイプはステンレス
写真右側のパイプはクロモリ
今回に関してはクロモリを溶接するため、溶接温度は800℃周辺です。
ステンレスは600℃を超えるとオーステナイト鋼からマルテンサイト鋼というものに変化するため硬度が高くなり、延性が減少するのです。
よって溶接部はより溶接割れを起こしやすくなると予想したため、今回は軟鋼の
溶接棒を使って溶接をしました。
結果はうまくいきました!
短時間で色々なことを考えて、実行できたことは非常に面白かったです。
今後はよりレベルの高い開発をするためにも、仕事のスピードを上げて
色んなことに挑戦します。

ステンレスの溶接をする私
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